遺産分割審判とは②手続きの流れと調停との関係

掲載日 : 2013年9月19日

原則は審判の前に調停へ
遺産分割協議が調わない場合、最終的には、裁判所の「審判」によって決せられますが、それは法の解釈適用により一刀両断的な判断で、勝ち負けが比較的はっきりします。
ただ、家族間の紛争解決としては好ましくない場合も多いので、遺産分割審判の申立がなされても、裁判所は職権で調停に付することができる(法274条1項)とされており、この「付調停(フチョウテイ)」という取り扱いが原則とされています(片岡外編著「新版家庭裁判所における遺産分割・遺留分の実務」日本加除出版株式会社8頁)。

調停=話し合い
調停とはどういうものか、その法的性質と関連して争いがありますが、紛争解決の主体を当事者とする自由で主体的な決断としての合意と解するのが通説です。
調停手続としての調停機関は当事者間を仲介斡旋して利害の調整に努め、当事者間に相当な合意が成立するように公権的に援助する過程にすぎないとされています(梶村外「家事事件手続法第2版」有斐閣28頁以下)。

調停が不成立の場合
調停が成立しない場合、審判に移行します(法272条4項)。
そして、裁判所は、手続において入手した資料に基づき「遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状況及び生活の状況その他一切の事情を考慮して」審判をすることになります(906条)。

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【コラム執筆者】
村上・新村法律事務所
弁護士 村上博一

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