遺産分割協議が無効になる場合①不在者の存在

掲載日 : 2013年9月14日

遺産分割は共同相続人の全員の協議が必要
遺産分割は共同相続人の「協議」によるのが原則です(907条1項)。
つまり、遺産分割は、共同相続人「全員の協議」でなされなければなりません。

共同相続の1人でも参加していない遺産分割協議は無効です。不在者を省いた協議は無効ですし、胎児を省いた協議もそれが出生した場合も無効になります。相続分の譲渡を受けた者(905条)、包括受遺者(990条)を省いた協議も無効です。

藁の上の養子の場合も実親子関係不存在が訴訟で確認されない限り共同相続人と扱われると思いますので、これを省いた協議も無効と解されます。

(参考コラム)
遺産分割協議の進め方①相続人等の確認(行方不明者)
遺産分割協議の進め方②相続人等の確認(藁の上の養子)
遺産分割協議の進め方③相続人等の確認(胎児その他)

遺産分割協議後の変更
1)失踪宣告の取消し
遺産分割協議後、失踪宣告の取消しがあった場合、結果的に共同相続人を省いたことになりますが、他の共同相続人は現存利益の返還義務を負う(32条2項)とされているので、遺産分割協議そのものは有効です。

2)認知の訴えが認められた場合
遺産分割協議後、認知の訴えが認められた場合も、他の相続人は価額賠償義務を負う( 910
条)とされているので、訴えで認知された子を省いた協議そのものは有効です。

【関連コラム】
遺産分割協議が無効になる場合②錯誤と詐欺/遺言に違反する分割
遺産分割協議の諸問題(財産の不足分・解除)

【コラム執筆者】
村上・新村法律事務所
弁護士 村上博一

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