遺産分割協議の進め方③相続人等の確認(胎児その他)

掲載日 : 2013年9月13日

遺産分割は「共同相続人」の協議によるのが原則です(907条1項)。

胎児
相続人かどうかは、先ずは戸籍で確かめられますが、被相続人の死亡した時点の戸籍だけでは、相続人がわからない場合もあります。

胎児は、出生を停止条件とされていますが、相続についての権利能力が認められています(886条)。また、死後認知の訴え(787条)が認められたときもこのような場合にあたるでしょう。

後者の場合「既にその分割その他の処分をしたときは、価額のみによる支払の請求権を有する」とされています(910条)が、前者の場合そのような規定はなく、胎児を省いた遺産分割協議は、その胎児が出生した場合、無効になると解されます。ですから、胎児の出生が確認されるまで、遺産分割協議は控えられるのが通常です。

ちなみに、胎児が生まれた場合、その親が法定代理人になります(818条、824条)。例えば、夫Aが死亡した場合において、妻Bと子(胎児)Cがいたとき、BがCの母として法定代理人になります。しかし、この場合、BCの利益は、相続分について一方が増えれば他方が減る関係にあって、相反するので、Cのために特別代理人を選任した上で遺産分割協議をしないと、これも無効になるので注意が必要です(826条)。

その他(包括受遺者など)
共同相続人の1人から遺産分割前に相続分の譲渡を受けた者(905条)は、相続人の地位を承継すると解されているので、遺産分割協議の当事者になります。包括受遺者も「相続人と同一の権利義務を有する」ので、同様です(990条)。

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【コラム執筆者】
村上・新村法律事務所
弁護士 村上博一

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