遺産分割協議の進め方①相続人等の確認(行方不明者)

掲載日 : 2013年9月11日

遺産分割は「共同相続人」の協議によるのが原則です(907条1項)。相続人かどうかは、先ずは戸籍で確かめられます。

どれだけ長期間行方不明であったとしても、そのことだけで行方不明者を遺産分割協議から省く訳にはいきません。

失踪宣告
この場合、失踪宣告(30条以下)といった制度があります。失踪宣告とは、不在者を「死亡したものとみなす」家庭裁判所の裁判です(31条)。

ただ、そのためには「生死不明」の状態が「一定期間継続」することが必要です。原則として、その期間は7年間とされている(30条1項)ので長いです。また、例えば、夫Aが死亡した場合に妻Bが遺産分割協議をしようとするとき、唯一の子Cにつき失踪宣告を得てしまうと、二次相続の問題が生じます。Aの両親が存命であったり、これらが死亡していても兄弟姉妹が存命していた場合、その者らが二次相続人となる(889条)ので、Bとしては、その者らと遺産分割協議をしなければなりません。義理の親や兄弟姉妹と協議をするのは、それなりに負担でしょう。

不在者財産管理人
それでは、Bの意思に沿わないということであれば、不在者財産管理人(25条以下)といった制度の利用もあります。

不在者財産管理人の権限は「保存行為」等に限られ「遺産分割協議」をするには家庭裁判所の許可が必要です(28条、103条)。その許可は、一定期間財産管理をした後でなければ下りないのが通常であり、また、不在者財産管理人の報酬も必要になります(29条2項)。ただ、失踪宣告より使い勝手はいいかもしれません。

この場合、遺言を利用するのも1つの手です。例えばAが「全ての財産をBに相続させる」と遺言しておけば、BがCとの関係で遺産分割協議をする必要はないので、このような面倒は防げます(相続させる旨の遺言については「子供のいない夫婦の遺言②具体的な遺言の方法(不動産)」を参照ください。)。

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【コラム執筆者】
村上・新村法律事務所
弁護士 村上博一

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