精神的障害のある子供のいる人の遺言①後見人

掲載日 : 2013年8月13日

母一人子一人で、しかも子供に精神的障害のある方が増えています。そのような方が遺言等をされる場合の問題点を、少し検討してみたいと思います(便宜上、母親をA、子供をBとします。)。

子供が未成年の場合
先ず、Bが未成年である場合は、Aは、遺言で死亡後の後見人を指定することが出来ます(839条)。

精神的障害のある子供が成年の場合
Bが成年である場合は、どうでしょうか。この場合、遺言では後見人の指定はできませんが、民法には、法定後見制度というものがあって、このようなBには既に、後見開始事由(精神上の障害により事理を弁識する能力、即ち、判断能力を欠く常況、7条。)、保佐開始事由(判断能力が著しく不十分である場合、11条)乃至は補助開始事由(判断能力が不十分である場合、15条)が存在することが多いでしょう。なので、Bの面倒を託そうとする人(便宜上、Cといいます。Bの生活は施設に入所する等により行われることが多いでしょうが、いまだ身上監護の必要性が全くなくなる訳ではないので、血縁乃至は親密な関係のある方が望ましいと思います。)に後見人、保佐人或いは補助人になって貰い、法定後見制度を利用して、その世話をお願いすることになります。

そして、Bの世話をすることの対価(負担)として、Aの財産の一部の金銭等を遺言によってCに遺贈するということが考えられます。この場合、第三者性を有する弁護士等の専門家を遺言執行者に指定すれば、遺言執行者による履行の催告等も可能(1027条)ですから、CにちゃんとBの世話をして貰うことを合理的に期待できます。

【関連コラム】
精神的障害の子供のいる人の遺言②相続における財産問題

【コラム執筆者】
村上・新村法律事務所
弁護士 村上博一

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