身寄りのない人のための法律①相続人の不存在

掲載日 : 2013年8月3日

両親、配偶者、子供、兄弟姉妹といった身寄りが全くない人が増えています。このような人(便宜上、Aと称します。)が、何もしないまま財産を残して亡くなった場合、どうなるでしょうか。

相続人の不存在
身寄りがないので、戸籍の記載からも、配偶者、子供等の存在乃至は生存は窺えないでしょう。ただ、例えば、父が死亡した場合、3年間は認知の訴えを提起でき(787条ただし書)、それが認められるとその者が非嫡出子という立場ですが相続人ということになります。 このような可能性も払拭できないことから、戸籍上相続人となるべき者が見受けられない場合であったとしても「相続人のあることが明らかでないとき(951条)」にあたるとされます。

そして、このような場合を「相続人の不存在」と称し、利害関係人等の請求により相続財産管理人が選任(952条1項)され、その手続の中で処分されない相続財産があればその財産は国庫に帰属するということになります(959条、反面、戸籍上相続人となるべき者の中に長年行方不明の人がいたとしても、失踪宣告等がなされていない場合は、戸籍の記載から「相続人のあることが明らか」なので、ここにいう「相続人の不存在」の規定は適用されません。)。

しかし、せっかくの財産を国に取られてしまうことを快く思わない人も多いでしょう。そのようなときに利用されるのが遺言です。

ただ、遺言で出来ることは法定され限られていますし、そもそも、遺言の効力は、Aが死亡した後にしか生じません。Aにしてみれば生前対応も大きな関心事でしょうから、Aの生前と死後とに分けて、身寄りのない人に有益な制度を遺言も含め、簡潔に紹介したいと思います。

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【コラム執筆者】
村上・新村法律事務所
弁護士 村上博一

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