賃貸等不動産の時価開示②必要性の判断

掲載日 : 2013年7月31日

時価注記が必要となるのは重要性の高い不動産であり、重要性が乏しい場合は注記を省略することができます。
賃貸等不動産の総額に重要性が乏しいかどうかは、賃貸等不動産の貸借対照表日における時価を基礎とした金額と当該時価を基礎とした総資産額の金額の比較により判断することになり、以下の流れで判断を行うこととなります。

賃貸等不動産の重要性の判断
重要性の判断に係る具体的な数値基準は、賃貸等不動産会計基準上、明示はされていません。賃貸等不動産の総額に重要性があるかどうかは、貸借対照表日における時価を基礎とした金額と当該時価を基礎とした総資産の金額との比較をもって判断されることになります。

賃貸等不動産会計基準では、賃貸等不動産の総額に重要性があるか否かの判断に係る具体的な数値基準は明示されていませんので、各社の実態に応じて判断することになります。

原則的時価算定とは
賃貸等不動産の当期末における時価とは、通常観察可能な市場価格に基づく価額をいい、市場価格が観察できない場合には合理的に算定された価額をいいます。
賃貸等不動産に関する合理的に算定された価額は、①自社における合理的な見積り又は②不動産鑑定士による鑑定評価等に基づいて算定することになります。
通常、重要性の高い賃貸等不動産や特殊な状況にある賃貸等不動産については、自社で鑑定評価することは困難なことが多いと思われるので、外部の不動産鑑定士に鑑定評価を依頼することになると考えられます。

みなし時価算定(簡便的な時価算定)とは
開示対象となる賃貸等不動産のうち、重要性が乏しいものについては、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標に基づく価額を時価とみなすことができます。
これらの基となる価額としては、実勢価格や査定価格等の評価額が含まれ、また土地の価格指標には、公示価格、都道府県基準地価格、路線価による相続税評価額、固定資産税評価額等があります。

時価の算定時点
不動産鑑定評価による時価算定の基準日については、原則として期末日を基準日とする鑑定評価を用いることになります。
しかし、不動産鑑定士に鑑定を依頼した場合、報告書を入手するまでに一定の時間を要するのが通常ですので、期末日前の特定の基準日を設けて鑑定評価を依頼することが考えられます。この場合、当該基準日から期末日までに、一定の評価額や指標に重要な変動があるかどうかを検討し、重要な変動があると認められる場合には調整が必要となります。

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【コラム執筆者】
田中豪経営会計事務所 / 船場中央税理士法人
公認会計士, 税理士 田中 豪