地積測量図の見方④昭和52年~平成17年

掲載日 : 2013年7月23日

昭和52年法改正(昭和52年10月1日~平成5年9月30日)
この法改正までは、境界標の表示が義務付けられておらず、どこを基準に測量したのか明確でない地積測量図も存在していました。

1)境界標がある場合
昭和52年法改正では、地積測量図を「筆界点」と「境界標」で表示することになりました。これにより、どこを基準に測量したのかが把握できることになり、地積測量図から現地における距離等を復元することができるようになりました。

※筆界点とは
土地と土地との公法上の境界を筆界または筆界線といい、その筆界線の始点、終点、または折れ点を筆界点という。

※境界標とは
永久保存である地積測量図に記載して公示され、永続性のある石杭又は金属標等の標識を指します(材質の耐久性と埋設の堅固性)。
木杭などは永続性のある境界標には該当しません。

2)境界標がない場合
境界標が無い場合、境界標の表示に代えて、適宜の筆界点と近傍の恒久的地物との位置関係を記載して差し支えない旨が規定されました。

※近傍の恒久的地物とは
概ね100m以内に存在し、土地の筆界を現地において特定する場合の基礎となり得ると認められるもので以下が該当します。
基本測量又は公共測量によって設置された三角点、多角点(永続性のある図根点を含む)又は水準点等

ただし、これは任意規定であったため、これまでと同様、現地の特定が困難な状況に大きな変化は見られませんでした。

3)地積測量図の精度
地積測量図による現地の特定が求められつつあり、義務化ではないものの、地積測量図に境界標・引照点を記載することになりました。
地積測量図の作製時、現地で土地境界の測量や立会いも行われるようになり、境界線と認められる可能性が高い図面と言えます。
また、正確な距離測定が可能なデジタル機器(光波測距儀)の普及が始まり、一部で精度の高い地積測量図も認められます。

一方、分筆の際、一筆全体を測量し、残地の地形や辺長も測量図に記載されるようになりましたが、残地部分が測量されていないものも存在します。
隣地との境界線の確認が、依然として不十分である等の問題も残されており、この時代の地積測量図は現地の境界杭との整合性が認められず、再度境界を決める作業を要する場合も多く見られます。

ポイント 分筆の際、残地計算がされていないものが多い
境界標が無い場合、地積測量図による現地特定が困難なことが多い

平成5年改正(平成5年10月1日~平成17年3月6日)
土地の境界標が無い場合、適宜の筆界点と近傍の恒久的地物との位置関係を記載することが義務付けられました。
これに伴い、地積測量図による筆界の現地特定機能がより強化されることとなりました。
こうして地積測量図は面積表示をするという役割に加え、境界杭を復元することができるという役割を担ったと言えます。

また、この時代から現地測量や立会等も厳密に行うことが要求され、「立会証明書」と言われる書面も見られました。

更に、測量機器の発達及び普及により、地積測量図はその精度を高めていったと言えます。ただし、測量機器や法改正の急激な変化により、地積測量図の精度の差が見られます。

【関連コラム】
法務局の地積測量図とは?
地積測量図の見方①記載例
地積測量図の見方②時代による特徴
地積測量図の見方③昭和52年まで
地積測量図の見方⑤平成17年以降

【コラム執筆者】
フェイスフル登記測量
土地家屋調査士 仲田 隆司