地積測量図の見方③昭和52年まで

掲載日 : 2013年7月22日

昭和35年以前
土地台帳事務の取扱当時、土地の表示、分筆、地積更正の申告書には地積測量図は法定添付書類として位置付けられていました。
土地の所有者が市町村役場に土地を分筆したこと等を申告するための書類でした。当時は境界紛争等が少なく、境界線を明確にする必要が少なく、納税の為の面積を表示することが重要視されていたと言えるでしょう。

現在のように登記簿の付属書類ではなかったため、土地台帳申告書の保存期間(10年間)経過後、申告書を廃棄する際に地積測量図も廃棄されていました。

なお、この申告書の写しは税務用通知として市町村役場へ送付されており、市町村において申告書の写しと共に地積測量図が添付され、保管されている場合があります。

また、一部の登記所は地積測量図を保管しているところもあります。

ポイント 昭和35年以前、原則として地積測量図はない

昭和35年法改正以降(昭和35年4月1日~昭和52年9月30日)
土地台帳と登記簿の一元化完了後、土地の表示登記、分筆、地積更正の登記等の申請をする場合、地積測量図の添付が義務付けられました。

1)当時の作製方法
原則として、この時代の地積測量図は1/300の縮尺により作製されています。

なお、当時の測量方法は、平板測量により点と点を線で結び、図上における読み取りにより辺長を記載して三斜法による求積方法で地積を求めていました。
現地調査の結果、図面上の地積との間に誤差がある場合、限度を定めて申告書に記載しても差し支えないと規定されていました(旧不動産登記取扱準即第107条)。
※誤差の限度
宅地及び鉱泉地:1/100、田畑・塩田:2/100、その他の土地:5/100以内

この場合、かつて山林・原野であった地域について、分筆登記をする土地に添付された地積測量図の精度区分は「乙三」で足りるとされていたため、当時の図面は測量誤差が「乙三」の可能性もあります。
※制度区分「乙三」
一定の計算式により算出されて公差表があり、実務上はその公差表を基に測量地の面積から、どれぐらいの誤差が許されるかを判断します。

2)地積測量図の精度
現地測量をしておらず、辺長の記載のない地積測量図、求積部分の測量はしているが境界立会がされていない地積測量図も見られます。
また、測量された地積測量図であっても、面積表示に重点が置かれていたため、地積測量図から現地の境界杭を特定するといった復元性については重要視されていませんでした。

また、昭和52年改正までは境界標の表示が義務付けられていませんでした。このため、どの地点を基準に測量したのか明確でない地積測量図も存在します。

3)地積測量図の存否
地積測量図は、登記所の一元化指定完了期日以後、土地表示登記等の登記申請があった土地についてのみ備えられることになっています。
このため、土地登記簿の表題部の「登記原因及びその日付」欄に一元化指定完了日後の日付の登記申請に基づく記載があれば地積測量図は存在し、記載が無い場合、地積測量図は存在しないことになります。
※一元化指定完了日は登記所ごとに異なります。

ポイント 地積測量図の精度が劣るものが少なからず存在
昭和52年9月30日までは境界標がない

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【コラム執筆者】
フェイスフル登記測量
土地家屋調査士 仲田 隆司