土壌汚染コラム④指定調査機関とは?土壌汚染調査技術管理者とは?

掲載日 : 2013年7月9日

前回は法や条例による義務調査・任意調査の場合の調査の手順についてお話ししました。
今回は、土壌汚染対策法に基づく指定調査機関とその資格についてご紹介します。

指定調査機関
指定調査機関とは、土壌汚染対策法に基づき汚染状況の調査を行う機関のことです。
先のコラムでお話した土壌汚染対策法に基づき、以下のような土壌汚染状況調査を実施するのはこの指定調査機関でなければなりません。
・有害物質使用特定施設がある土地の廃止や形質変更時(法第3条)
・健康被害のおそれがあると知事に認められた土地(法第5条)

土壌汚染の調査は、試料の採取地点の選定や採取方法等により結果が大きく左右されるため、調査結果の信頼性を確保するためには、調査を行う者に一定の技術的能力が求められます。
そこで、調査を的確に実施することができる者を環境大臣が指定し、土壌汚染対策法に基づく調査を行う者は、指定調査機関のみに限るとともに、この指定調査機関について環境大臣が必要な監督等を行うこととしたものです。

土壌汚染調査技術管理者
土壌汚染対策法が施行されたのは平成15年なので、当時から指定調査機関は存在したのですが、平成22年度から環境省は新たに技術管理者の設置を指定調査機関に義務付けました。
この資格の取得のためには、年に一度行われる土壌汚染調査技術管理者試験に合格しなければなりません。

平成24年12月に第3回が実施され、環境省発表によると、結果は受験者3,050名に対して合格者311名、合格率は10.2%でした。

なお、試験は誰でも受けることができますが、技術管理者証の交付に当たっては、試験に合格することのほか、以下の要件を満たしている必要があります。
イ 土壌の汚染の状況の調査に関し三年以上の実務経験を有する者
ロ 地質調査業又は建設コンサルタント業(地質又は土質に係るものに限る。)の技術上の管理をつかさどる者
ハ 土壌の汚染の状況の調査に関しイ及びロに掲げる者と同等以上の知識及び技術を有すると認められる者

ちなみに試験は調査の技法、汚染土壌の対策や処理等の技術、法令等について問われます。
次の問題をご覧ください。
平成24年度の土壌汚染調査技術管理者試験の第一問です。

問 土壌・地下水に係る基準に関する次のA~Eの記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
A 土壌環境基準にあって地下水基準にない項目は、有機りんである。
B 農用地に関する土壌環境基準には、カドミウム、砒素、水銀が設置されている。
C 法の第二溶出量基準の値は、土壌環境基準の値の10~30倍に設定されている。
D 特定地下浸透水の浸透の制限に関する要件は、地下水環境基準と同じに設定されている。
E 法の土壌含有量基準は、第二特定有害物質と第三特定有害物質について設定されている。
(1)1つ
(2)2つ
(3)3つ
(4)4つ
(5)5つ

どうですか。難しいでしょう。私にも難しいです(笑)
回答は(4)です。

この問題では土壌汚染対策法に定められている土壌環境基準や地下水環境基準についての、特定有害物質の項目や基準値に対する知識を問われていますね。
こういった問題が80問出題され、総合得点率65%、問題区分別で各30%以上を満たすと合格です。

土壌汚染という分野での初の国家資格になりますので、ご興味をお持ちになられた方は是非チャレンジしてみてください。
まだ過去に3度しか試験が行われていないうえ、年々範囲は広がる一方で問題集等もあまり出ていないのですが、環境省のホームページからダウンロードできる『土壌汚染対策法に基づく調査及び措置に関するガイドライン(改訂第2版)』をまるごと覚えると合格できますよ!

【関連コラム】
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土壌汚染コラム③法や条例による義務調査・任意調査の場合の調査の手順

【コラム執筆者】
株式会社 三協エンジニア
土壌汚染調査技術管理者 稲垣優子

事務所HP :
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