不動産購入時の買付証明書とは?

掲載日 : 2013年6月5日

買付証明書
不動産を所有しているAさんがBさんに不動産を売却するとします。
この場合、不動産の売主Aさんの、この不動産を○○万円で買主Bさんに売りますという意思と、買主Bさんが、じゃあその値段でこの物件を買いますという意思が合致して、初めて売買契約が成立します。売買契約が成立したのであれば、後日売買契約書を作成し、併せて住宅ローンの手続きを進めたり、所有権移転登記の手続きをしたりすることになるでしょう。

しかし、買付証明書とは、不動産の購入を希望する人が、売主または仲介会社宛に、購入する意思があることを表明する書面です。つまり、一方的な意思表示なのです。買主の買付証明書に対して、売主には売渡承諾書というものもあります。

買付証明書の効力
一概には言えませんが、買付証明書の一般的な記載事項としては、物件表示をしたうえで、この不動産を買いますという意思表示の他、有効期限や契約予定日、売買代金予定額が記載されているのではないでしょうか。

上記で売主からの売渡承諾書について触れましたが、この不動産を売りますという部分以外は、ほぼ同様でしょう。

このように、買付証明書には、ほぼ間違いなく、具体的な売買代金、支払い時期、引渡し日、所有権移転日などが書かれていませんから、例え売主の売渡承諾書があったとしても、正式な売買契約が成立しているとは言いがたいでしょう。上記内容が記載されている場合は売買契約が成立する可能性も高くなります。しかしながら、実務上ではあまりみかけないように思います。

つまり、買付証明書を交付したとしても、一般的には正式な売買契約は成立しておらず、法的効力はないことになります。交渉する状態になったという程度と考えた方がいいでしょう。

買付証明書の有効期限
買付証明書には、一般的に有効期限を記載します。こちらも特に法的拘束力がありません。

取引をキャンセルした場合の責任
原則として違約金などは発生しません。上記のように売買代金や引渡し日等々、具体的なことが記載されていないような、一般的な買付証明書を発行した買主は、自由に撤回することが出来ます。

【コラム執筆者】
アクアス司法書士・行政書士総合事務所
司法書士 和田努

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