遺留分減殺請求の行使方法

掲載日 : 2013年5月28日

遺留分減殺請求とは
遺言や生前贈与などにより被相続人の処分に制限が加えられている遺留分(配偶者直系卑属がいる場合:相続財産の2分の1、直系尊属のみの場合、相続財産の3分の1、遺留分を有する相続人が複数いる場合は、これに法定相続分をかけた割合になります。)を侵害された相続人が、受贈者や受遺者に対し、侵害されている遺留分の返還を求めるのが遺留分減殺請求という手続きです。

遺留分減殺請求権を行使するには、侵害を知った時から1年以内に行使する必要があります。この期間を過ぎてしまうと行使ができなくなりますので、内容証明郵便等の手段で同期間内に遺留分減殺請求権を行使する必要があります。

遺留分減殺請求の対象
減殺請求の対象は、遺贈、相続開始前1年間にされた贈与、当事者が遺留分権利者に損害を加えることを知って行った贈与、特別受益としての贈与で(民法1031,1030)、遺贈と贈与がある場合、先に遺贈を減殺し(民法1033)、遺贈が数個あるときは、遺言に別の定めがされていなければ遺贈の目的物の価額の割合に応じて減殺することになります(民法1034)。贈与が数個あるときは、相続時に近い贈与から先に減殺し(民法1035)、同時に複数の贈与があった場合には目的の価額の割合に応じて減殺することとなります。

遺留分減殺請求の効果
遺留分減殺請求を行った場合、遺留分を保全するのに必要な限度で効果が生じますので、多くの場合共有状態となります。例えば、2500万円の不動産の特定遺贈について、遺留分侵害額が500万円である場合に、これを減殺すると5分の1の持分で共有となります。減殺する目的物が複数ある場合、請求する側から目的物を任意に選択して減殺することはできませんし、減殺を請求する側から価額弁償を求めることもできません。

遺留分の現実的な回復については、共同相続人間の紛争であれば、家庭に関する事件として家事調停の対象となって、調停前置主義がとられています。調停が不調となった場合には、地方裁判所に民事訴訟を提起することとなります。なお、減殺の対象が「4分の1の財産を包括してきに遺贈する」といった割合的包括遺贈の場合は、遺留分減殺請求後も、物権としての共有ではなく、遺産として共有持分を有する状態となりますので、遺産分割調停をして、不調となった場合は審判手続に移行することとなります。

このように、遺留分減殺請求は、その権利や内容、手続が複雑になりますので、対応について弁護士に相談していただければと思います。

【関連コラム】
遺産相続における遺留分とは
遺留分減殺請求と価格弁償

【コラム執筆者】
なにわ法律事務所
弁護士 大西隆司

事務所HP :
http://naniwa-law.com/