期限の利益とは?期限の利益の放棄と喪失

掲載日 : 2013年5月7日

期限の利益とは
期限の到来までは債務の履行をしなくてもよいという利益のことです。
期限の到来までは債務の履行をしなくてもよいということは、通常、債務者にとって有利なことですので、期限は債務者の利益のために定められたものと推定することとされています(民法136条1項)。

期限の利益の放棄とは
期限の利益を放棄することは可能です(民法136条2項)。
ただし、相手方の利益を害することはできません(同法136条2項ただし書き)。

「相手方の利益を害することができない」という言葉の意味について、返済期日を決めていたにも関わらず、債務者が予定より早くお金を用意できたため、返済期日の前に返済したいというケースを例に取ってご説明します。
この例のように、返済期日を決めていた場合、債権者には元々返済期日までの利息を得るという利益があり、債務者が返済期日の前に一括返済をすると債権者の利益を害することになってしまいます。
そこで、この債権者の利益を保護するため、債務者は、期限の利益を放棄すると、元本と返済期日までの利息を支払う必要が生じることとされているというものです。

期限の利益の喪失とは
債務者に一定の事由が生じた場合、債務者は期限の利益を主張することができなくなり、債権者は、期限の到来前であっても、債務の履行を請求することができるようになります(民法137条)。これを期限の利益の喪失といいます。
具体的には、

  • 債務者が破産手続開始の決定を受けたとき
  • 債務者が担保を消滅させ、損傷させ、又は減少させたとき
  • 債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき

の場合、民法の規定に基づき、債務者は期限の利益を喪失し、債権者は債務者に対し、直ちに債務を履行(返済)するように請求することができます。

なお、民法に規定されたもの以外でも、特約により期限の利益喪失事由を定めることができます。現に、多くの金銭消費貸借契約には、決められた期限までに返済が行われない場合、債務者は期限の利益を失い、債務の残額を一括で支払わなければならない旨の定め等があります。

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【コラム執筆者】
きっかわ法律事務所
弁護士 浜本 光浩