信用保証協会による代位弁済のメリットとデメリット

掲載日 : 2013年4月19日

中小企業が金融機関から借り入れをする方法の一つとして、信用保証協会の保証付融資を受けるという方法がありますが、この保証付融資を受けた借主の金融機関に対する返済が滞った場合には、信用保証協会が借主の代わりに金融機関に返済することになります。これを代位弁済と言いますが、この代位弁済のメリットとデメリットとしては以下のようなものがあります。

代位弁済のメリット
信用保証協会が代位弁済した後は、借主の返済先は借り入れをした金融機関から信用保証協会に変わりますので、以後の返済については信用保証協会との協議によることになります。そして、信用保証協会との間で月々の分割返済額の減額についての合意ができた場合には、保証料の支払を免れる上、月々の分割返済額が減額されることから、減額後の分割返済額が少額であれば相当程度資金繰りが楽になります。
なお、月々の分割返済額の減額についての合意ができなかった場合であっても、借主の分割返済額や経営努力等を勘案して、信用保証協会が差押えや担保処分等の法的な回収手段を思いとどまっている間は、合意ができた場合と同様に資金繰りが楽になります。しかし、信用保証協会が差押えや担保処分をすれば直ちに経営が行き詰る危険性がありますので、借主としては、信用保証協会との間で月々の分割返済額の減額についての合意ができるよう努力する必要があります。

代位弁済のデメリット
1.新規融資を受けることができない
信用保証協会により代位弁済された場合、その借主は不良貸付先ということになりますので、代位弁済された金融機関だけでなく、その他の金融機関からも新たな融資は受けられなくなります。
また、リースやクレジットも難しくなりますので、月々の分割返済額が減っても新規融資やリース・クレジットなしでは資金繰りができないという借主はたちまち経営が行き詰まることになります。

2.担保処分や保証人への取り立ての可能性
信用保証協会は、代位弁済により生じた求償権を確保するため、元々の債権につけられていた担保や保証等から直ちに回収を行い得る立場にあります。したがって、信用保証協会との間で、月々の分割返済額の減額についての合意とともに、分割返済をしている間は担保処分や保証人への取り立てを行わない旨の合意をしない限り、直ちに担保不動産が処分されたり、保証人に取り立てがなされる可能性があります。そして、このような権利行使がなされれば、工場や事務所等の事業用不動産を失ったり、売掛債権等が差し押えられて資金繰りがショートする等の理由により、借主の経営がいずれは行き詰ることになります。

このように、何らの策も講じないまま信用保証協会の代位弁済を放置すれば、借主の経営が行き詰る危険性が高まりますので、信用保証協会の保証付融資の返済が滞る危険性が生じた場合には、速やかに弁護士・税理士等の専門家に相談する必要があります。

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【コラム執筆者】
きっかわ法律事務所
弁護士 浜本 光浩