負担付遺贈とは?その注意点

掲載日 : 2013年4月18日

負担付遺贈(民法第1002条)
遺言により、包括割合または特定した財産を、無償で譲ることを遺贈と言います。
この遺贈と引き換えに受遺者(遺贈によって利益を受ける者)に対して一定の義務を負担させることが可能です。

例えば、「Aに不動産を遺贈することを条件に、Aは遺言者の妻Bに対し、生活費として月○万円を支払う」、「Cに不動産を遺贈することを条件に、Cは住宅ローンを支払う」といったものです。

負担の限度
受遺者は遺贈の目的の価値を超えない限度においてのみ、負担した義務を履行しなければなりません。
すなわち、受遺者は貰う財産価値以上の義務を負う必要はありません。

負担付遺贈の場合、受遺者が遺贈を承認するか放棄するかの選択権を有するため、自由に遺贈を放棄することができます。

受遺者が遺贈を放棄した場合、受遺者の負担により利益を受けるはずであったもの、先ほどの例で言うとAが遺贈の放棄をするとBが受贈者となることができます。

負担義務の不履行
負担付遺贈は、受遺者に一定の負担を課す遺贈であるものの、この負担を受遺者が履行しない場合でも遺贈は効力を生じます。
また、受遺者から遺言執行者や相続人に対して遺贈の履行を求められた場合、受遺者が負担付遺贈の負担を履行しないことを理由として、受遺者からの遺贈の履行請求を拒否することができません。

しかし、負担付遺贈によって受遺者が負担した義務を履行しない場合、相続人は相当の期間を定めて履行の催告を行い、それでも履行がない場合、その負担付遺贈にかかる遺言の取消しを家庭裁判所に対して請求することができます(民法第1027条)。

この場合、受遺者が受けるべきであった財産は、遺言に定めがない限り、遺贈者の死亡の時期に遡り相続人に帰属することになります。

負担付遺贈の負担を受遺者が履行しない場合であっても、遺贈の効力は生じることになるため、負担付遺贈をする場合には、遺言者は受遺者との関係も考慮して遺言をする必要があると言えるでしょう。

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【コラム執筆者】
勝司法書士法人
司法書士 勝 猛一