遺贈の承認と放棄

掲載日 : 2013年4月16日

遺贈は遺言者の死亡の時に効力が発生しますが、遺言者の単独行為であるため、受遺者(遺贈によって利益を受ける者)は遺贈を強制されるわけではなく、遺贈を承認するか放棄するかを選択できることになっています。
ただし、包括遺贈と特定遺贈とでは以下の違いがあります。

包括遺贈の承認と放棄
包括受遺者は相続人と同一の権利義務を有するとされており、包括遺贈は相続の承認と放棄の規定が適用されます(民法915条)。
すなわち、包括遺贈の放棄は遺言者が亡くなったことを知った日、または自分に対して遺贈があったことを知ったときから3ヶ月以内に家庭裁判所に放棄の申述をします。期間内に放棄の申述をしない場合、単純承認したものとみなされます(民法921条2号)。

特定遺贈の承認と放棄
特定遺贈の受遺者は遺贈の承認と放棄が自由(民法986条)であり、放棄に関する期間が定められていないため、遺言者の死亡後いつでも遺贈を放棄することができます。
この場合、家庭裁判所への放棄の申述も不要であり、遺贈義務者(相続人)に対する意思表示で行います。※通常は配達証明付内容証明郵便
なお、いつまでも明確な意思表示がない場合には関係者が困るため、利害関係者などが受遺者に対し、期間を定めて承認の確認の催告をすることができ(民法987条)、受遺者が期間内に意思表示しない場合、承認したものとみなされます。

承認と放棄は撤回ができない
ひとたび行った遺贈の承認や放棄は、意思表示の瑕疵または無能力を理由とする取消以外は撤回することができません。

なお、遺贈が放棄された場合、遺言に定めがない限り、受遺者が受けるべきであった財産・権利は遺言者の相続人に帰属することになります。

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【コラム執筆者】
勝司法書士法人
司法書士 勝 猛一