サブリースと賃料減額請求の可否

掲載日 : 2013年4月11日

サブリースとは
不動産会社が営業用ビルを転貸する前提で賃借(マスターリース契約又はサブリース原賃貸借契約)し、
これをユーザーに転貸(サブリース契約)することで、賃料と転貸料との差益を得ることを目的として
行われる契約形態です。

このようなサブリースでは、不動産会社にはビル及びその敷地の所有権を取得することなく事業を開始することができる一方、ビル所有者には営業用ビルの空室等のリスクを不動産会社に転嫁し、安定的な収益を見込めるというメリットがあります。

また、このようなビル所有者のメリットを保障するために、賃料自動増額特約や賃料保証特約が付されることもあります。

借地借家法32条1項(借賃増減請求権)の適用について
かつて、バブル期の営業用賃貸ビルの需要が旺盛な時代背景を前提としてマスターリース契約の賃料を
設定し、その後のバブル崩壊によって不動産会社に差損が生じるようになったことから、不動産会社か
らビルオーナーに対してマスターリース契約(サブリース原賃貸借契約)における賃料の減額請求がな
され、賃料減額の可否が争われる類型の訴訟が頻発したことがありました。

これらの類型の訴訟に関し、下級審では、サブリースにおけるビル所有者から不動産会社に対する事業
委託的な性格を重視し、マスターリース契約への借地借家法の適用は限定的であるべきだとして、借地
借家法32条1項の建物賃料増減額請求は適用されないとする裁判例もありました。

しかし、最高裁は、このような転貸目的の賃貸借契約についても、合意内容に照らして建物の賃貸借契約であることが明らかであり、借地借家法の適用が除外されることはなく、同法32条が適用されると判示しました(平成15年10月21日判決、同月23日判決)。

そして、借地借家法32条1項が強行法規である以上、サブリース契約中に賃料自動増額特約(同月21日判決の事例)や賃料保証特約(同月23日判決の事例)があったとしても、借地借家法32条1項の適用は排除できないと判示しましたが、借地借家法32条1項による賃料減額請求がされた場合における当該請求の当否及び相当性を判断する上では、当事者が賃料額決定の要素とした事情その他の事情を総合的に考慮すべきであり、賃料自動増額特約や賃料保証特約等がある場合はこれらが付されるに至った事情も重要な考慮要素になるとしています。

【コラム執筆者】
弁護士法人古家野法律事務所
弁護士 古家野 彰平