土壌汚染コラム②法や条例による調査と任意調査の調査契機

掲載日 : 2013年3月15日

前回はなぜ土壌汚染の調査が必要なのかをお話しさせていただきました。
調査には大きくわけると、土壌汚染対策法(以下、「法」)や条例による調査と任意調査がある、と。
今回は、それらの調査について詳しく解説していきます。

法による調査の場合、調査契機は以下のとおりです。
当たり前ですが法なので、全国どこの土地でも、条件に該当する場合は調査を行う義務が生じます。

・有害物質使用特定施設を廃止するとき(第3条)
・一定規模以上(3,000㎡以上)の形質変更を行なう土地であって土壌汚染のおそれのある土地(第4条)
・既に生じている土壌汚染や地下水汚染による人の健康被害のおそれがあると都道府県知事が認めた場合(第5条)

第3条
『有害物質使用特定施設』という名称だけ聞くとなんだかすごい施設のようですが、要するに法で定められている25項目の物質をある特定の条件下で使っています、と行政に届出を出している施設のことを指します。
逆に言うと、届け出を出さなくてもいい条件下、法で定められている25項目の有害物質を使用しているということもあるわけですから、『それらの物質を使用している=有害物質使用特定施設がある』ではないのです。
そういう理由で、第3条の場合、施設が対象地にあるかどうかは都道府県や市区で管轄の課で確認できます。
具体的な有害物質使用特定施設は実験室のシンクや金属を溶かす漕だったりするのですが、土地の売却をするときに建物ごと施設も解体する、というときや、敷地内で工場だったところを一般のひとが入れる施設に変更する際に特定施設を移設する、というときには必ず行政に廃止届を提出しなければなりません。
また、施設廃止から120日以内に調査を行わなければならないので注意が必要です。

第4条
『土壌汚染のおそれがある土地』というのは、対象地が過去になんらかの原因で汚染されている可能性があると行政によって判断された土地、ということです。
ちなみに大阪府の条例には『3,000㎡以上の形質変更を行う土地における利用履歴等調査の義務付け』というのがあり、3,000㎡以上の土地を掘ったり何かを建設したりする場合は、所有者さんが土地の履歴を調べて担当行政に提出しなければなりませんが、これは要するに汚染されている可能性があるのかないのかの判断のための資料を提出する、ということです。

第5条
法が施行された平成15年から平成22年度まで合わせても調査命令の発出は5件しかありませんので、よほどでないと該当することはないです。

先に挙げた大阪府だけでなく、各都道府県によって制定されている土壌汚染関連の条例はいろいろあります。
残土を移動する際には移動する残土の調査が必要であったり、一定規模以上の形質変更時の調査という場合の規模が2,000㎡であったりと多種に及びますので、対象地ごとに担当行政さん、あるいは調査の業者さんにお尋ねいただいた方が確実です。
「知らなかった」では罰則を受けてしまいかねませんので、くれぐれもご注意くださいね。

以上の法や条例に該当しなかったにも関わらず行われた調査はすべて任意調査になります。
たいていは売却が調査契機になりますが、資産の鑑定や賃貸を目的に汚染の有無を調べることもあります。

次回は具体的な調査方法についてお話しします。

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【コラム執筆者】
株式会社 三協エンジニア
土壌汚染調査技術管理者 稲垣優子

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