同族関係者間の土地賃貸借、借地権の認定課税とは(相当の地代と権利金の関係)

掲載日 : 2013年2月1日

借地権の認定課税とは
借地権の設定にあたって、賃貸人(地主)と賃借人(借地人)が第三者間である場合、権利金という名目の一時金と通常の地代を併せて授受する場合が多く見られます。その際、借地人が支払った権利金は資産計上され、減価償却の対象にもならないことから、借地人が事業者の場合には資金繰りに影響する可能性も出てきます。
このような問題もあるため、賃貸人と賃借人が同族関係者間の場合には権利金を授受しないことがあります。
ただし、通常権利金を授受する取引上の慣行がある地域において、権利金の授受がない場合には、権利金の授受があったものとみなされ、認定課税が行われることになります。すなわち、賃借人が法人の場合には受贈益(法人税)として課税されることになります。

相当の地代と権利金の関係
通常権利金を授受する取引上の慣行がある地域における借地権の設定の際、権利金の授受の代わりに「相当の地代」を授受している場合、その借地取引は正常な取引とみなされることになっており、認定課税は行われません。つまり、第三者間の取引で授受されるであろう権利金と「相当の地代」は代替関係にあると言えます。

※相当の地代
=その年、その年の前年、その年の前々年における自用地としての相続税評価額の平均額×6%

※通常の地代
=その年、その年の前年、その年の前々年における自用地としての相続税評価額の平均額×(1-借地権割合)×6%

なお、権利金か相当の地代か、どちらか一つの方法しか選択できないわけではなく、両者を併用することにより借地権を設定することも可能です。

無償返還の届出と認定課税
通常権利金を授受する取引上の慣行がある地域における借地権の設定の際、権利金や相当の地代の授受が無い場合であっても、当事者間で将来土地を無償で返還する旨を定め、これを税務署に届出ている場合、借地権の認定課税を回避できることができます(「土地の無償返還に関する届出書」)。

ただし、無償返還の届出をしている場合においても、法人が地主である場合、相当の地代と実際の地代との差額があるときは、その差額について地代の認定課税が行われます。

以上のように、通常権利金を授受する取引上の慣行がある地域における借地権の設定の際、権利金の授受または相当の地代が収受されていない場合や土地の無償返還に関する届出書が提出されていない場合、権利金の認定課税が行われることになります。

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【コラム執筆者】
税理士法人 はやぶさ
税理士 杉浦 文彦