同族関係者間での土地賃貸借、「土地の無償返還の届出制度」とは?

掲載日 : 2013年1月25日

土地貸借取引の当事者の一方が法人又は双方が法人である場合においては、税務上の問題が生じることがあるため注意する必要があります。

すなわち、借地権の設定に際して、権利金を収受する取引上の慣行がある場合において、通常の権利金又は相当の地代のいずれをも収受しないときは、原則として、借地権の認定課税が行われます。

「土地の無償返還に関する届出書」の提出で認定課税の見合わせ
しかしながら、土地の貸主と借主とが同族関係者間である場合においては、借主が地主に対して借地権についての権利主張をすることや、地主の許可なく借地権を他に譲渡することなどは通常考えられません。

このような場合にまで、硬直的に借地権の認定課税を行うのは問題があるとして、借地契約上、将来無償でその土地が返還されることを明らかにし、かつ、その旨を記載した「土地の無償返還に関する届出書」(以下「無償返還届」とします。)を地主と借地人との連名により地主の所轄税務署長に提出したときは、借地権の認定課税はされない取扱いとなっています。

ただし、無償返還届は、借地権の設定に際して、一部でも権利金を収受した場合には提出することができないこととされています。

相続税の財産評価に与える影響
賃貸借契約における無償返還届を提出されている場合の土地に係る貸宅地の価額は、土地の自用地としての価額に100分の80に相当する金額によって評価することになっています。

ただし、使用貸借契約における無償返還届を提出されている場合の土地に係る貸宅地の価額は、土地の自用地としての価額によって評価することになっています。

無償返還の提出期限
無償返還届の提出期限は、借地契約後、遅滞なく提出することとされています。「遅滞なく」とは、借地契約後、最初に到来する確定申告期限までと思われます。

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【コラム執筆者】
税理士法人 はやぶさ
税理士 杉浦 文彦