中小企業の民事再生手続について(2)「自力再建型」と「スポンサー型」

掲載日 : 2012年12月13日

今日における民事再生手続の運用状況は、事実上、大きく「自力再建型」と「スポンサー型」に分かれているのが現実です。

自力再建型の再生
民事再生手続は、債務圧縮により企業価値を取り戻した申立会社が、その潜在的な収益力を生かし、自らの企業努力により再生計画を実行して再建を図るという、いわゆる「自力再建型」を原則的な形態と考えています。民事再生法などの関連法規も、そのような形態を前提として制定されています。

スポンサー型の再生
一方、近時は「スポンサー型」の再生を図るという前提で民事再生手続が申立てられている例、あるいは再生手続中に「自力再建型」から「スポンサー型」に移行する例が多々見られます。「スポンサー型」とは、申立てた企業が、他の企業(スポンサー)による直接的な経済的援助(貸付け、出資、事業譲受など)を受け、スポンサーの提供した資金で再生計画を実行するというものです。
これは、申立てた企業に将来収益性が期待できる事業が残っているとスポンサーが判断し、再生計画の遂行のために必要な資金を援助する代わりに、申立て企業を買収するというものです。通常は、スポンサー選定の公平・適正を確保するため、広くスポンサー候補を募り、入札により選定します。

スポンサー型の再生手続の中でも、申立前からスポンサー企業が決まっており、民事再生手続の開始後に資金を注入することを申立当初から予定しているものを、「プレパッケージ型」といいます。この形式が取られる場合は、多くの場合、大口債権者である銀行等の金融機関(メインバンク)が予め承諾し、場合によってはメインバンク主導でスポンサーや申立代理人となる弁護士の選定を進める場合も少なくありません。

もっとも、プレパッケージ型が採られる場合、入札によらずにスポンサーを選定することも多いため、スポンサーの利益を重視するあまり、企業価値と比較して低額な資金しか提供しなかったような場合には、債権者が本来受けるべき配当を受けられないという危険性も含んでいます。そのため、裁判所や監督委員はより公平性を期するため、民事再生手続を申し立てた経緯やスポンサー選定の経緯・方法を精査し、慎重に対応するのが通常であり、このような方式でのスポンサー選定を原則として認めない裁判所もあります。

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【コラム執筆者】
ソラリス法律事務所
弁護士 松村 直哉