再生可能エネルギー(太陽光)の固定価格買取制度とグリーン投資減税②固定価格買取制度について

掲載日 : 2012年11月28日

固定価格買取制度とは
この制度は平成24年7月1日に施行された「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別特措法」(以下「再生可能エネルギー特措法」)により、電力会社に対して、政府が定めた調達価格、調達期間により発電事業者から全量を買い取ることを義務づけるというものです。

調達価格・調達期間
調達価格・調達期間については、再生可能エネルギー発電設備の区分、設備の形態、規模ごとに経済産業大臣が年度開始前までに(3月までに)告示することとなっています。
調達価格とは電力会社の買取価格であり、調達期間とは電力会社がその調達価格により買取る期間のことをいい、施行日から平成25年3月までの調達価格・調達期間は以下とおりとなっております。(平成24年7月 資源エネルギー庁「再生可能エネルギーと固定価格買取制度について 12ページ」より抜粋)

※バイオマス、中小水力については省略しました。
経済産業大臣は、上記の調達価格・調達期間を定めるに当たり、「調達価格等委員会」の意見を聴き、その意見を尊重しなければならないとされています。

調達価格決定のプロセス
固定価格は発電事業に要するコストと発電量見込を基礎として算定することとなっておりますが、再生可能エネルギーの供給状況、事業者の適正利潤なども勘案するとされています。

その結果として上記のとおり平成25年3月までは太陽光発電(10 kw以上)であれば買取価格42円/kwで買い取ることが電力会社に義務づけられたわけです。

この価格は、Kw当たりの建設費32.5万円、年間の運転維持費10千円、税前IRR(内部利益率)6%をベースに算定されました。(平成24年4月27日「調達価格等委員会意見」より)

  

調達期間決定のプロセス
調達期間は「電気の供給開始後最初に行われる発電設備の重要な更新の時までの標準な期間を勘案して定める」とされております。
その結果として、上記のとおり平成25年3月までは太陽光発電(10 kw以上)であれば20年間買い取ることが電力会社に義務づけられたわけです。
太陽光パネルの実態上の耐用年数は20年以上あり、若干の経年劣化はあっても発電は十分可能との理由から、法定耐用年数17年より長い20年が提示されました。(平成24年4月27日「調達価格等委員会意見」より)

調達価格の変更はあるか?
再生可能エネルギー特措法によれば、一旦適用された調達価格については「物価その他の経済事情に著しい変動が生じ、又は生ずるおそれがある場合において特に必要と認められるときは調達価格を変更できる」とされていますが、資源エネルギー庁はホームページ上のQ&Aにおいて、「その他の経済事情に著しい変動」とは急激なインフレやデフレのような例外的な事態を想定しており、それ以外の場合には変更されることなないとの見解を示しています。

再エネ賦課金とは?
再生可能エネルギーは電力会社に固定価格で買い取ることが義務づけられますが、これによる発電コストの増加分は電気料金に転嫁されます。再エネ賦課金とはその転嫁による電力消費者の負担分のことであり、平成24年度は全国一律0.22円/kwhとなっております。

資源エネルギー庁によれば、月300kwhの電気を使う標準家庭の場合、既存買取分に伴う太陽光発電促進付加金と合わせて全国平均で87円程度の電気料金が増加する見込みであるとのことです。

発電事業への参入促進措置
さらに、毎年変わる調達価格について、「施行日から3年間を限り、調達価格を定めるに当たり、発電事業者の受けるべき利潤に特に配慮するものとする」(再生可能エネルギー特措法付則7条)とされるなど発電事業への参入を促す措置も行われています。

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【コラム執筆者】
内橋慎一税理士事務所 
税理士 内橋 慎一