破産とは?申立手続とながれ

掲載日 : 2012年10月24日

破産申立とは?
破産とは、簡単に言うと債務が多すぎて支払いができなくなった状態のことを言います。

裁判所に破産を申し立てて破産手続が開始されると、破産者の所有している財産(不動産、自動車、株式、生命保険等)は現金に換えられ、債権額に応じて債権者に配当されます。その上で、残った債務について債務の支払を免除してもらって(免責といいます)、破産者が通常の生活に戻れるようにすることが破産申立をする目的です。

なお、ここで言う「債務」とは、金融機関、サラ金、クレジット会社などからの借金だけでなく、友人や親族からの借金も含みます。したがって、破産を申し立てると、友人や親族の借金も支払わなくてよくなります。裏を返せば、銀行の借金は免責してもらいたいけれども両親や友人から借りたお金は返したい、というような選り好みは出来ないということでもあります。これは、破産手続においては、全ての債権者を平等・公平に扱うことが求められるからです。

破産手続のながれ
1)換価業務
破産手続においては、裁判所が選任した破産管財人が、破産者の財産を現金に換える業務(換価業務といいます)を行います。例えば、破産者の不動産や自動車の売却、生命保険の解約等をして、そのお金を債権者に配当するのです。

破産者の財産を正確に把握するため、破産管財人には調査権が与えられており、隠匿財産や漏れている財産がないかどうかを独自に調査することができます。そのため、破産を申し立てると、調査の一環として、破産者は、破産管財人から事情聴取を受けたり、さまざまな資料の提出を求められたりすることがあります。

また、破産手続中は1、2ヶ月に一回程度、裁判所において破産管財人が現在の破産手続の状況を報告する集会が開かれますが、その集会には破産者も出席するのが通常です。

換価業務を終え、債権者への配当が終わると 、残った債務について免責手続に進むこととなります。事案によって大きく異なるため、あくまで目安ですが、破産開始決定がなされてから換価業務が終了するまでに6ヶ月程度、その後配当手続 、免責手続を終えるまでにさらに数ヶ月を要することが多いです。

2)換価できる財産が少ない又はない場合
なお、換価業務を終えても債権者に配当するほどの財産が集まらなかった場合には、破産手続の廃止決定がなされ(異時廃止といいます)、配当手続を行わずに免責手続に入ります。
また、破産申立の段階から、そもそも配当できるほどの財産が集まる見込みが少ない(概ね20万円以下の財産しかない)場合には、破産管財人が選任されることなく、破産手続の開始決定と同時に廃止決定がなされ、破産手続が終了することがあります(この手続を同時廃止といいます)。
破産管財人が選任される場合には、裁判所へ支払う費用、予納金は事案によって様々ですが(簡単な事案で22万円程度、複雑な事案ではさらに高額となります)、同時廃止の場合には、裁判所へ支払う費用、予納金は1万5000円程度となっています。

免責とは
個人の破産の場合、破産手続によって債権者に配当した後に残った債務について支払義務を免れるためには、免責決定を得る必要があります(法人については、破産によって法人自体がなくなってしまうため、手続はそこで終わりとなります)。

免責決定を出すことが相当かどうかについては、破産管財人の意見も考慮しながら裁判所が判断します。その際、債務の原因が浪費・ギャンブルによるものであった場合や、財産を隠匿して免責決定を得ようとした場合など、破産法が定める免責不許可事由があった場合には、裁判所が免責を許可しないことがあります。

免責決定を得ることができれば、破産者は残った債務を支払う必要は無くなり、これで破産手続はすべて終了ということになります。なお、全ての債務について支払い義務を免れるわけではなく、税金や婚姻費用、養育費など、一定の債務については免責の対象とならないことに留意が必要です。

経済的再生にとって最も適切な方法を
以上、簡単に破産手続について紹介しましたが、破産手続をとるべきかどうかは、個々の債務者の状況を詳しく聞かなければ判断できません。債務の返済で困った場合の解決方法としては、破産手続の他に任意整理や民事再生などの手段もあり、どの制度にもそれぞれメリット・デメリットがありますので、専門家にも相談のうえ、ご自身の経済的再生にとって最も適切な方法を選択されることをお勧めします。

【コラム執筆者】
中本総合法律事務所
弁護士 宮崎慎吾